日本基督教団御殿場教会  United Church of Christ in Japan Gotenba church

説教

説教

タイトル :「私の平和を与える
聖書   : ヨハネ14:25-31
年月日  : 2018-11-4
十字架につけられる直前のイエス様と弟子達の場面は、13-16章まで続きます。
今日の箇所は、前回に続いて、イエス様が弟子達のもとを去る代わりに、神様から
「弁護者(べんごしゃ)・聖霊(せいれい)」が与えられることについて語っています。
聖霊が与えられることで、イエス様と弟子達が永遠に一緒にいられるよう
になると16節で言っています。イエス様が十字架で死に、復活して天に昇られた
後でも、聖霊が与えられることで、弟子達が復活のイエス様と一緒にいられるよう
になることで、イエス様から聞いた多くの言葉や教え、イエス様がなさった様々な
働き、特にイエス様の十字架の死が何のためだったのか。そこにどのような神様の
恵みと救いが込められていたのかを、聖霊によって共にいてくださるイエス様から、
弟子達は、手取り足取り、一つ一つ解き明かしていただけるのです。
 そして聖霊が与えられることで、イエス様のなさったことが過去の思い出や化石
のような記憶(きおく)とはならないで、「自分がどう生きるべきか」、今の自分を導き励まし、
将来に向けての生き生きとした確かな力となって、1人1人に働きかけます。
 イエス様が語った言葉や教え、イエス様がなさった御業(みわざ)。聖書に書いてあるのは、
その中のほんの一部でしょう。でもほんの一部でも、限りない奥行(おくゆ)きがあります。
聖書のたった一行の言葉の中にも限りない奥行きがあり、私達が生涯、探究(たんきゅう)し続け
ても、たどりつけない神様の深みがあります。それを私達の短い人生では、とても
知り尽くせないけど、聖霊が働く時、自分の力では知ることができない神様の奥義(おくぎ)の
一端と出合わせていただける。神様の真実の一端を悟らせていただけます。それは
牧師だからとか信仰歴(しんこうれき)が長いとか、そんなことは全く関係ない。風のように、ただ
一方的に、自由に働く聖霊が、私達にもたらしてくださる、とても貴重な恵みです。
 私達は2000年前の弟子達のように、イエス様から直接、教えを聴くことはでき
ませんが、聖霊が働く時、イエス様が私達と共にいてくださり、聖書に記(しる)さ
れた神様の救いの奥深さの中に私達を連れて行ってくださり、新たな恵みを、
この目で、この耳で、全身全霊で、発見させて、体験させてくださいます。
だから説教を聴く前に、私達は聖霊の導きを求めて祈ります。また説教を準備する
にも語るにも、聖霊が働かなければ説教は人の言葉、聖書(せいしょ)の説明(せつめい)や知識(ちしき)で終わって、
神様の救いの力となって私達の心にまで届かない。それほど聖霊は、大切な働きを
しています。そしてイエス様は、弟子達に更なる恵みを約束しておられます。27節。
「私は平和をあなたがたに残し、私の平和を与える。私はこれを、
世が与えるように与えるのではない。心を騒がせるな。おびえるな」。
 「平和」と言う言葉は、私達も良く聞いて知っています。でもイエス様が言った
平和は世間で言う平和とは違います。イエス様は「私の平和」を与えると言った。
つまり「イエス様の平和、イエス様の平和を与える」と約束してくださったのです。では「イエス様の平和」とは、どんなものでしょう。
 旧約聖書にも新約聖書にも「平和」と言う言葉が、たくさん出てきます。聖書の
「平和」とは「戦争がない」と言うだけの平和ではありません。聖書が言っている
平和で1番特徴的なのは、「神様と和解している関係」だということです。
神様に敵対したり、神様を無視したり、神様から遠ざかっている限り、どんなに
多くのお金をもち、どんなに強い軍隊や兵器をもっていても、心の中の憎しみや、
いらだち、疑いがあふれ出てきて、いつも落ち着かないし、平和ではないし、幸福
でもない。このように、神様に敵対し、神様を無視して、神様から遠ざかって
いて、神様と平和ではない関係。これが、聖書が言う「罪」です。従って、
罪が完全に取り除かれることで、初めて、旧約聖書から新約聖書までが語り
続けてきた「平和」、イエス様が約束した「神様と私達が和解している平和」、
「神様と私達が1つに結ばれている平和」が実現するのです。
この平和を実現させるため、イエス様は十字架につけられます。十字架で死んだ
イエス様の命の血が、すべての人の罪を、きれいに洗い流し、取り除くからです。
そしてイエス様の十字架の死を引(ひ)き換(か)えにして、神様が私達1人1人に(私達は罪人
だから本当はありえないのに)完全な「罪の赦(ゆる)し」と(あなたを罪に定めないという)
「無罪(むざい)判決(はんけつ)」を宣言(せんげん)してくださいます。イエス様の十字架によって、私達から
罪が取り除かれたことで「神様と和解している平和、神様と1つに結ばれる
平和」、「神様との平和」がイエス様から私達に向けて差し出されています。
このことは、すべて神様の御心(みこころ)、神様の救いのご計画から、出てきた恵みの
出来事です。
 イエス様が弟子達に、私達に与えてくださる平和。それは、自己満足の平和でも
ないし、一部の人だけに都合の良い平和でもありません。そうではなくて、神様が
中心となる平和、神様が土台となっている平和です。そこでこそ、私達はお金
でも、力でもなく、ただ神様によって満たされる「本当の平安、幸福、やすらぎ」を
全身で受け取り、平和を実感します。だから平和と言う言葉が飛び交う時、私達は
注意しなくてはなりません。そこで言われている「平和の中心、平和の土台」に、
神様が本当に生きて働いておられるのかどうかシッカリ確かめなくてはなりません。
イザヤが預言した「平和の君」(イザヤ9:5)とは、十字架の死によって私達から
罪を取り除いてくださったイエス様のことです。十字架で死んだイエス様は、復活
して天に昇(のぼ)り、父なる神様の右におられます。でも聖霊が弟子達に降(くだ)ったことで、
「私は去って行くがまたあなたがたの所へ戻ってくる」(28節)とイエス様が言った
通り、聖霊の働きにより、復活のイエス様が「平和の君」として、この世で
生きる弟子達と共にいてくださいました。言うなら聖霊の働きにより、天に
おられるイエス様の平和の中を、地上にいながら、私達は生きられるように
されているのです。だから思いがけない苦しみや悲しみに出合っても、イエス様
の平和の中で生きているのだから、「心を騒がせるな。おびえるな」と、イエス様は
言ったのです。
 度々、お話しますが、駿河療養所の病室におられるUさんが「体は大変ですが、
心は平和です」と言われたことを思い出します。この世で私達は弱く、もろい存在
です。けれど聖霊の働きによって「罪と死に勝利した平和」「イエス様の平和」
「神様との平和」の中で生きる者へと、私達は変えていただけるのです。
その確かな証拠が、聖霊を受け取った後の弟子達の生き方です。弟子達は私達と
同じように弱く臆病(おくびょう)な人間でした。そんな彼らが聖霊を受けたことで「神様の平和」
「罪と死に勝利したイエス様の平和」を全身で味わい知った。だから激しい迫害(はくがい)に
あいながらも「本物の平和をすべての人に伝えよう」と、世界各地に出かけて行く
者に変えられたのです。弟子達が味わい知った「本物の平和」が、駅伝のタスキの
ように、リレーのバトンのように、イエス様を信じて従う多くの信仰者によって、
次々と、時代と国境を越えて、持ち運ばれて行ったことで、「平和の君・イエス様を
信じる群れ、教会」が、世界中に広がっていき、今もなお広がっています。
本日の箇所を見ますと、イエス様はまだ多くのことを、弟子達に語りたかったの
ですが、十字架の時が迫ってきたことを知って、「さあ立て、ここから出かけよう」
と弟子達に言っています。弟子達に本物の平和を与えるため、聖霊を与えるために、
イエス様は十字架の死に向かって歩き出します。そして地上でのご自分のすべてを
十字架の上で捨てます。すべてを捨てることで、神様の新しい現実がイエス様に、
また弟子達に勢(いきお)い良く入って来るからです。実際、イエス様は復活して栄光の姿に
変えられました。そして弟子達は聖霊を受けてイエス様を信じ、イエス様の平和の
中で生きる者、命をかけて本物の平和を宣(の)べ伝える信仰者に変えられました。
弟子達を新しく造り変えた聖霊が今、ここでも風のように自由に働いています。
でも聖霊によって、自分が新しく造り変えられることを本気で願わないなら、その
人は、岸辺(きしべ)に固くつながれたヨットのように、強く風が吹いても今いる所から動け
ないし、新しく船出(ふなで)することもできません。今の自分を捨てようともせずガンコに
今の自分にしがみつくなら、聖霊が働いても、その人の現実は何も変わらないし、
イエス様の平和の中で生きることもできない。しかし本当にそれでいいんですか。
イエス様の平和を知らないままの生涯で終わってしまって、本当にいいんですか。
いえ、良くない。イエス様の平和を知らないまま、生涯を終えてはならない。
だからイエス様は、「ここから出かけよう」と私達に呼びかけているのです。
イエス様の平和を拒(こば)む自分がいることを正直に認めて、そんな自分から飛び出して
聖霊の導きに自分のすべてを思い切って預けましょう。「ここから出かけよう」と
いうイエス様の言葉と共に、私達を愛して、私達を赦して、私達を受け入れ
永遠に生かしてくださる「イエス様の平和」に向けて、思い切って船出して
行きましょう。

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