日本基督教団御殿場教会  United Church of Christ in Japan Gotenba church

神があなたに求めておられること

説教

タイトル :「神があなたに求めておられること
聖書   : 申命記10:12-22
年月日  : 2014-1-5
一年の最初の礼拝において、これから自分たちが生活する新しい土地・カナンに
入る直前、モーセがイスラエルの民に語った言葉に聴くことは、私達にもムダでは
ないはずです。モーセはイスラエルに、また私達に、ストレートに語っています。
 「今、あなたの神、主があなたに求めておられることは何か。ただ、あなたの神、
主を畏れて、そのすべての道に従って歩み、主を愛し、心を尽くし、魂を尽くして
あなたの神、主に仕え、私が今日、あなたに命じる戒めと掟とを守って、あなたが
幸いを得ることではないか。見よ。天とその天の天も、地と地にあるすべてのものも
あなたの神、主のものである」。
 この箇所で、モーセは「あなた」と言い、私達1人1人に語りかけていることが
分かります。そして「新しい生活を始めるにあたって、神様があなたに求めている
ことは何か、まず考えてみなさい」と言うのです。「あなたが神様に求めていること」
ではなくて「神様があなたに求めていること」です。
日頃、私達は神様にたくさんの願い事をして祈りますが、「神様が私に求めている
ことは何ですか」と神様に尋ねて、祈ったことがあるでしょうか。
 先月、イブ礼拝とコンサート行い、武久源造先生は2009年から、御殿場教会で
コンサートをしてくださっています。多分2度目に来られた時だったと思いますが、
「少しずつ御殿場教会のオルガンが分かってきました」と言われました。その時は
意味が分からなかったのですが、毎年お会いしているうちに、なるほどと思うよう
になりました。武久先生は優れた演奏者であると同時に、楽器の職人のような方だ
ということを間近で見てきたからです。教会に入れたチェンバロやフォルテピアノ
の組み立てや分解はご自分でされます。先生は目が見えませんが、耳や全身の感覚
で楽器の仕組みをつかみます。御殿場教会のオルガンもそうでした。私達が開けて
見たこともないような所を開けて、教会のオルガンの隅々まで探っていました。
それは「このオルガンがどう使われることを願って、職人がオルガンを作ったか」
を知るためでした。そしてオルガンを作った職人の願いを知り、その願いに沿って、
オルガンの持ち味が最大限に引き出されるように、教会のオルガンを弾こうとする
ためでした。小さな教会のオルガンですが、そんな所まで深く配慮して、演奏して
おられたのです。これは本日の御言にも通じます。
 14節で、天も地も、地にあるすべてが神様のものだと言っています。この世界は
すべて神様がお造りになったものです。私もまた神様から造られた作品の一つです。 
職人が願いを込めてオルガンを作るように、神様も私達を造られる時「このように
生きて欲しい」と言う願いをこめて私達1人1人を造ってくださったのです。
 だから私達の作者・造り主である神様の願いを知り、神様の願いに適うよう
に生きることで、初めて「私達の本来の良さ、本来の持ち味」が引き出され
ます。私達の中に込められている神様の願いを知って、神様の願いを生きる
ことで、私達はますます個性的に、本当に自分らしく生きられるようになる
のです。
 世界には数十億の人間がいて、それぞれ異なる性格、異なる人生を歩んでいます。
しかしどんな違いがあったとしても、すべての人に共通する神様の願いがあります。
それが「あなたの神、主を畏れて、そのすべての道に従って歩み、主を愛し、心を
尽くし、魂を尽くして、あなたの神、主に仕え、私が今日、あなたに命じる戒めと
掟とを守って、あなたが幸いを得ること」です。
造り主である神様を畏れ敬って従うこと。神様を自分の主人として愛して、
全身全霊で仕えること。そして神様の言葉を守って生きることにより、命の
喜び、本物の幸いを得ること。これが、全人類の中に込められている神様の
願いです。
 私達の造り主である神様は、私達の幸いを願う方です。私が最も良く生きられる
ように、最も私らしく、人として私が幸せに生きられるように、と願う方です。
 世界は年々、様々な分野の技術、知識が発展していく一方で、今も5秒に1人、
幼い子どもたちが死んでいく残酷で、愚かな世界でもあります。モーセの時代には
考えられなかったほど、便利で快適で高度に発達した世界に、私達は生きています。
それなのに、なぜ今も世界各地で争いが起き、貧しく、飢え渇き、病んだまま放置
されている人たち、人として幸せに生きられない人たちがあふれているのでしょう。
 それは私達を造られた方、神様の言葉、神様の願いに耳を貸そうとしない
からです。神様の願いを無視して、かたくなに自分の利益、自分の願いが実現する
ことだけを求めて、それぞれが好き勝手に生きようとしているからです。
このことをオルガンの鍵盤に例えてみます。ドの音を出すように作られた鍵盤が、
勝手な音を出したらどうなるか。それぞれの鍵盤には、与えられた音があります。
与えられている音を、それぞれが研ぎ澄まして純粋に出せば、オルガンを弾いた時、
鍵盤全体から、自己主張だらけの騒音ではなくて、調和の取れた美しい音楽が流れ
出します。
 私達の幸せを願って、語りかけてくださる神様の言葉を聞くことが出来ない人の
心のかたくなさは、モーセの時代も今も同じです。だから「心の包皮を切り捨てよ」
と聖書は命じています。これは「心に割礼をしろ」と言うことです。イスラエルの
男子は皆、生まれて間もなく割礼を受けます。割礼は「神様の民」のしるしです。
つまり「神様に心を閉じないで、心を覆っている固いガードを取っ払って神様の民
として、神様の願いと向きあい、神様の言葉に聞き従って生きろ」と言うことです。
自分の殻に閉じこもり神様を拒んでいる限り、本物の幸せ、世界の幸せは来ません。
だからもう、かたくなな自分を引きずるのは止めて、神様が願っておられるように
生きてみましょう。神様を愛して、神様に聞き従って、皆で幸せになりましょう。
世界中が幸せになるように、お互いに生きてみましょう。
 しかし「神様を愛する」とは言っても、強制されて出来ることではありません。
これは「神様に愛されている自分」に気づいた時、おのずと始まります。かたくなで
傲慢、自分勝手で不誠実な私達です。それでも私達を決して見捨てず、愛し続けて
くださる神様がいます。もったいないほど豊かな神様の愛が私達に注がれています。
なのに私達は神様の愛を受け止めることもせず、ザルのようにたれ流しています。
それでも神様は惜しまず、ケチらず、私達をムダに愛し続けてくださいます。
 このすばらしい神様の愛が、私達の中に注がれているから、病弱や高齢のために
何も出来なくも、私達は生きるに価します。
粗末な飼い葉桶の中に、神様の御子がいたように、お粗末な私の中に、いつも
神様の愛があります。そして私は神様にいつも愛され、受け入れられている
のです。このことに気がついた時、私達は、神様の愛に信頼して生き始めます。
すなわち、神様が願っている通り、神様の愛に応えて、神様を愛して、私達は
ようやく生き始めるのです。
 私達は神様の願う通りに生きられない不自由で、お粗末な者です。でもお粗末な
飼い葉桶のような私達の中に、「これは私の愛する子、私の心に適う者」(マ
タイ3:17)と、天が宣言した御子イエス様を、大胆にも神様は宿してください
ました。 
御子はこの世で唯一、神様の願い、神様の御心を完全に行うことが出来る方です。
このイエス様が私達の中で働き、神様の願い、神様の御心を行わせて下さる。
神様が願う通りに愛せない不自由な私達だけど、私達の中におられるイエス様が、
神様が願う通りに私達を生かしてくださる。神様を愛し、神様の言葉に聞き従って
生きる者へと私達を導いて、私達に本物の幸せを得させてくださるのです。
「神様を愛して生きる」ことは神様の願いですが、それは神様だけを愛すること
では終らず、「神様が愛しているすべてのものを愛して生きる」ことでもあります。
 19節「あなたたちは寄留者を愛しなさい」。寄留者とは旅人、よそ者のことです。
神様に造られた私達は皆、限られた時間、この世界にホームステイに来ている旅人、
寄留者です。この世界のホームステイを終えて、私達が本当に帰る本国は、私達の
造り主・天におられる神様の所です。特に「神様の御心に適う方、死から復活された
イエス様」を宿しながら、この世界にホームステイしている私達は、帰るべき本国を
知っているので、いたずらに死を恐れることもありません。
言うならば、私達は、イエス様によって神様の願いを、世界に現わして行く
ため、神様から遣わされた派遣社員です。派遣社員はこの世では生涯現役です。
私達派遣社員の務めは、この世界で同じ時代、共に生活しているすべての寄留者を、
愛して生きていくこと。またすべての寄留者が、神様の願いに聞き従って、幸せに
生きられるよう、とりなして祈り、働くことです。
そして神様からの派遣社員のこの世界での支店・出張所が教会です。派遣社員が
充分、神様の願い、御心を聴き取りながら働けるように、世界中に教会があります。
この小さな御殿場教会からも、神様の願いに聞き従って生きる幸せが、天の星の
数ほど数多く、どこまでも、どこまでも、広がって行きますように。

powered by Quick Homepage Maker 4.27
based on PukiWiki 1.4.7 License is GPL. QHM

最新の更新 RSS  Valid XHTML 1.0 Transitional