日本基督教団御殿場教会  United Church of Christ in Japan Gotenba church

主に喜ばれる者でありたい

説教

タイトル :「主に喜ばれる者でありたい
聖書   : 第2コリント5:1-10  
年月日  : 2014-11-2
5章の始めから、「地上の幕屋」、「天にある永遠の住処」と言う言葉が出てきて、
「何のことだろう」と、戸惑われたと思います。そこで少しの前の所、4章16節の
「外なる人」「内なる人」を思い出してください。「外なる人」は、年齢を重ねるごとに
衰えていく私達の地上の体です。これに対して、「内なる人」は、復活のキリストと
結ばれて日毎、成長していく体、人の目には隠されている信仰者の新しい体です。
このことを踏まえると、5章1節でパウロが語っている内容も見えて来ます。
 「私達の地上の住処である幕屋」は、私達の生身の体、「外なる人」のことです。
「外なる人」が滅びても「神によって建物が備えられている」つまり「キリストと
結ばれた信仰者の新しい体」「内なる人」が、神様によって与えられていることを、
確信していると、パウロは言っているのです。しかも「復活のキリストと結ばれて
いる新しい体」「内なる人」は、人の手で、人工的に造られたものではありません。
これは、神様が備えてくださったものであり、やがて信仰者にとって「天における
永遠の住処」「天における新しい体」となるものです。
言い換えると地上の体が滅びても、信仰者には「復活のキリストと同じ永遠
の命の体」が恵みとして与えられています。その新しい体は「信仰者を天に
おいて、永遠に生かす器」として、神様が備えてくださったものです。
これは信仰告白の中で私達が信じ告白している「終わりの日に実現する体の甦り」
のことであり、終わりの日に受け取る「私達の新しい復活の体」を指しています。
私達の地上での命が尽きて、長年お世話になった地上の体をぬぐことになっても、
私達は裸のままではいません。無理やりサナギから引き出され、丸裸になった虫の
ようにはなりません。地上の体を脱いだら、「天から与えられる永遠の住処」「復活
の体」を、ちゃんと神様が私達に着せてくださいます。
地上の体は私達にとって、なくてはならないものですが、飢え渇き、病気やケガ、
老いの苦しみや不自由さを抱えています。だから出来ることなら、今すぐにでも、
「天から与えられる永遠の住処」「復活の体」を神様からいただいて、新しく着せて
もらいたいと、切に願うのは当然のことです。
地上の体をもっている私達が、弱さ、不自由さ、痛みなど重荷を負って苦しみ、
うめいていることを、パウロは充分、承知していますが、それでも「地上の住処・
地上の体は不自由でイヤだから、早く脱ぎ捨てたくて、うめいているのではない」
(4節)と言います。
そうではなくて、「死ぬはずのものが命に飲み込まれてしまうために」、「天から
与えられる永遠の住処・復活の体を、地上の体の上に、重ね着したいからだ」
とパウロは言っています。これは、見逃せない重要なポイントです。
私達信仰者には一方で「外なる人」があると同時に、もう一方に復活のキリスト
と1つに結ばれている「内なる人」がいます。「地上の朽ちる命と体」そして「天に
ある朽ちることのないキリストの命と体」。それこそ天と地ほど遠くかけ離れている
「命と体」です。でも全く異なる性質を持つ「命と体」が、私達信仰者の中で、
同居しています。
自分の中で、2つの異質の「命と体」が同居していることを知るパウロの願いは、
「限りある外なる人が、キリストに結ばれた内なる人によって、徐々に飲み
込まれていく」のを体験することです。「地上の命と体が、キリストの復活の
命と体によって、包み込まれ、ドンドン飲み込まれていく」のを、自分自身で
実際に信仰生活の中で、体験してみることです。命の重ね着、体の重ね着です。 
「死は勝利に飲み込まれた。死よ、お前の勝利はどこにあるのか。死よ、お前の
トゲはどこにあるのか」(1コリント15:54-55)。
これは終わりの日を象徴する言葉です。勿論、私達が「永遠の命と体」を本格的に
体験するのは、終わりの日です。でも地上の命と体で生きている信仰者の中には、
死に勝利したキリストの復活の命と体が、もうすでに入り込み、息づいています。
復活の命と体は、私達が死んだ後に、ようやくやって来るものではありません。
私達の地上の生涯の中に、終わりの日の「復活の命と体」が先取りされて、
もう既にキリストを通して始まっています。キリストを通して既に「神様の
永遠」が私達の中で始まっています。このことを証しているのが「私達の外なる
人は衰えていくとしても、私達の内なる人は日々、新たにされて行きます」(4:16)
と言ったパウロの言葉です。
 地上の生涯を歩む「外なる人」でありながら、同時に「神様の永遠」をも味わう
「内なる人」であることが、私達に赦されています。そして「内なる人」は、地上で
生きる私達に、いと高き天から「復活の命と体」「神様の永遠」をもたらしてくれます。
このような恵みを私達に与えてくださったのは、神様です。さらに神様は、この
恵みに対する確かな保証として、私達に聖霊を与えてくださっています(5節)。
聖霊は「真理の霊」です。聖霊は、人の目には隠されている神様の恵みの真理を
明らかにして、私達に悟らせ、神様に信頼する信仰を、ますます強めていきます。
聖霊が働き助けてくださるから、信仰者は地上の生涯を歩みながらも、復活
のキリストの迫り、「復活の命と体」の迫り、「神様の永遠」の迫りをリアル
に体験し、確信できます。この聖霊と言う頼もしい助け手が、私達信仰者に与え
られています。
故に信仰者は、目に見えるこの世の朽ちる宝に頼るのではなく、どんなに困難な
時でも、聖霊の助けを受けて、ただキリストを信じる信仰によって、終わりの日の
目標を目指して、雄々しく歩むことが出来ます。だから「私達はいつも心強い」と
すべての信仰者を代表して、パウロはキッパリ言っているのです(6、8節)。
しかしパウロは、当時、コリント教会を混乱させていた「熱狂主義者」のように、
「地上において、自分の信仰はすでに完成している、自分はすでに復活を果たした」
とは言っていません。ここがまたパウロの信仰の熱く、そして冷静なところです。
地上で生きる信仰者の中で、「神様の永遠」がすでに始まっています。でも地上の
弱い体を住処としている限り、私達の信仰は絶えず誘惑にさらされ、罪を犯します。
地上の体が求めるままに、自己満足に走り、神様を忘れ、キリストから離れます。
「地上において私達の信仰は未完成であり、それゆえ信仰は成長し続けなくては
ならない」という、地上における信仰者の限界を、パウロはわきまえています。
ここがパウロと、熱狂主義者の大きく違う点です。信仰者は、有名な神学者であれ、
牧師であれ、たとえローマ法王であっても、常に信仰の成長を目指して命ある限り、
前進し続けることが必要です。信仰の成長には多くの恵み、喜び、感謝が与えられ
ますが、この世で信仰生活を続けていくことは、決して楽ではありません。
だから楽になりたくて、「早く地上の体を離れて、天におられるキリストのもとに
帰り、キリストと共に住みたい」(8節)と望むのは誰でも同じです。私も毎週、説教
準備に追われる度に、「明日、終わりの日が来ないかな」と現実逃避をします。
でも見落としてならないのは、終わりの日、すべての人がキリストの審きの座の
前に立たされて、「地上の体を住処としていた時、どんな生き方をしていたのか」、
それぞれの生き方に応じた、ふさわしい報いを受けねばならないと言うことです。
そのためパウロは言っています。
 「体を住処としていても、体を離れているにしても、ひたすら主に喜ばれる者で
ありたい」(9節)
 何度も「信仰の成長」と言いましたが「信仰の成長」とは簡単に言うと「地上で
不自由な体と共に生活しているけれど、どんな時でも、私と言うこの小さな
存在が自分を喜ばすのではなく、キリストを愛して、キリストに喜ばれる者
でありたいと祈り求めながら1日1日を生きるようにされていくこと」では
ないでしょうか。
 私達に、地上の住処、不自由で朽ち果てる体が与えられているのは、なぜなのか。
私達が強い体と正義の心を持ったスーパーマンなら、キリストに喜ばれる者として
生きるのは簡単かもしれません。でも私達はスーパーマンではないけれど、私達に
「神様の永遠」をもたらすため、十字架に死に、復活されたキリストを心から愛して、
信頼し、感謝して、キリストに喜ばれる者でありたい。地上の体の欲望や誘惑から
自由になって、キリストを愛し、喜んでキリストに仕えたい。寝たきりになっても、
尚、キリストに喜ばれる者でありたいと、強く求めるほど、私達の信仰が鍛えられ、
成長していくために、不自由で限りある地上の体が、私達に与えられているのです。
 終わりの日に、キリストが審きの座で見るのは、「私達がどれだけ多く信仰の業を
してきたか」と言うことではありません。「ひたすら主に喜ばれる者でありたい」。
純粋で自由なキリストへの愛、キリストとの愛の交わりを、朽ち果てる体を
もった苦しい生涯の中で、私達がどう育ててきたか。キリストから受けた愛を、
生涯の中で、どのように分かち合ってきたか。キリストが審きの座で見るのは「愛」
です。キリストは、私達の生涯に隠れている、どんな小さな愛も見つけてください
ます。

powered by Quick Homepage Maker 4.27
based on PukiWiki 1.4.7 License is GPL. QHM

最新の更新 RSS  Valid XHTML 1.0 Transitional