日本基督教団御殿場教会  United Church of Christ in Japan Gotenba church

万軍の主が定めた

説教

タイトル :「万軍の主が定めた」   
聖書   : イザヤ14:24-27・1テサロニケ5:9
年月日  : 2016-01-03
特記事項 : 新年合同礼拝

 最初にお読みした旧約聖書は、イザヤと言う預言者を通して語られた神様の言葉です。イザヤ書14章の最初の小見出しには、「イスラエルの回復」と書かれており、「バビロンの滅亡」「アッシリアのくびき」と続いています。

 当時のイスラエルは、南北2つの王国に分裂していた上、メソポタミア地方にはアッシリアとバビロニアがいて、特にアッシリアは大きな脅威となっていました。そしてアッシリアは紀元前8世紀、北イスラエル王国に入り込んで王国を滅ぼし、多くの人々を捕囚にして、強制連行していきました。

 異国で奴隷の民として虐げられる苦しみは、イスラエルの祖先がエジプトで散々味わってきたことです。その苦しみを再び味わうことになり、民は深く嘆きます。しかしアッシリアからの解放がまだ実現していないにもかかわらず、かつて神様がエジプトで行った時のように、アッシリアも神様が滅ぼして、民から奴隷のくびきや肩に食い込む重荷を、すべて取り去ってくださると告知しています。更にこれは神様の計画であって、決して揺るがず、誰にも変更できないと念押ししています。

 イスラエルの信仰の父は、アブラハムにさかのぼります。神様は、アブラハムを祝福し、彼の子孫を天の星、海の砂のように増やし、彼の子孫から出る者によって地上のすべての民が祝福を得ることを約束してくださいました(創世記22:17-18)。

 つまりイスラエルは、神様の祝福を約束された神の民であり、イスラエルの上には常に神様の目が注がれていました。それなのに歴史上のイスラエルは、近隣諸国に脅かされ、北王国はアッシリアによって滅ぼされ、南王国もやがて新バビロニアによって滅ぼされて、国も民も失ってしまいます。新バビロニアがペルシャによって滅ぼされた時、バビロン捕囚にされていたイスラエル民は、故郷の地に戻ります。そして再び生活を始めますが、国の再建は果たせず、ペルシャ帝国、ギリシャ帝国、ローマ帝国と、いつの時代も、異邦人に支配された生活を強いられます。

 イエス様の時代は、ローマ帝国の支配下にありました。人々はエルサレム神殿で礼拝を献げていましたが、それもローマ帝国の監視下にあってのことで、誇り高い神の民としての尊厳は踏みにじられ、傷ついていました。

 「約束が違うじゃないか。神様とアブラハムとの約束はどうなったんだ。祝福の民どころか、自分達はいつも苦難の道、茨の道ばかり、歩かされているじゃないか。神様を信じる民、信仰者が、なぜこうまでして、苦しむのだろうか。」

 神様を信じる人々の嘆きが、聞こえてくるようです。今、年賀状を受け取って、皆さんは親しい方の消息に喜んだり、驚いたりされているのではないかと思います。

 我家もそうですが、私達の生活には、思いがけないことが突然起こります。予定を立てていても思い通りには行かないということは、度々経験させられます。それは信仰のあるなしに関係ありません。でも信仰があっても、思い通りにならない生活ばかりだったら、信仰は何の役に立つのかと、言いたくもなるでしょう。

 しかし神様がアブラハムに約束したことは、その場限りの空しい言葉ではなく、神様の言葉通り、アッシリアも、バビロニアも、ローマ帝国さえ、今はありません。

 24節「万軍の主は誓って言われる。私が計ることは必ず成り、私が定めることは必ず実現する」。

 これほど世界が複雑に入り乱れ混乱しているのに、すべての人を祝福するなんて、ありえないと私達は思ってしまいます。でも神様は、何もない所から、天地万物を造り出したお方です。神様に出来ないことは、何一つない。だから人には不可能に思えても、神様が1度、定めた約束、神様のご意志、神様のご計画は、人が考える時間や予測を軽々と飛び越え、実現に向けて、着々と、確実に進んで行きます

 その証拠に、「アブラハムの子孫からすべての人を祝福する者が誕生する」という約束が実現したのは、アブラハムの時代から多くの人たちが生き死にした千年以上の時間を大きくまたいだ、はるか後の時代、イエス様がこの世に来られた時でした。

 「主のもとでは1日は千年のようで、千年は1日のようです」(2ペトロ3:8)。

 宇宙も時間も造られた神様です。神様は時間も空間も越えています。神様は人を越えています。人の秤で、神様のご計画にダメ出しをするなど、幼稚です。27節で「万軍の主が定められれば、誰がそれを留めよう。その御手が伸ばされれば、誰が引き戻せよう」と言う通り、万軍の主である神様のご計画にダメ出ししたり、横槍を入れる資格も力も人にはありません。世界各地で、テロや紛争などの災いが起きていますが、それでも神様が定めて決意された救いのご計画を、人が止めたり、遅らせたり、取り消すことは決して出来ません。

 神様はインマヌエルのイエス様を、この世に与えてくださいました。イエス様は私達を救うために、私達と共にいてくださる神様です。アブラハムの血筋ではなくても、イエス様を救い主として信じ受け入れるなら、国も民族も関係なく、すべての人が神様の祝福に受けて救われます。クリスマスに洗礼を受けたご一家のように、神様の家族として1人1人が命の書に名前が記されて、永遠の命が与えられます。

 故にその人は死を迎えても、死は永遠の命に入るための扉となります。更に良い麦と毒麦、羊とヤギが分けられるように、終わりの日の最後の審判で、死や陰府など神様に敵対する一切のものが、火の池に投げ込まれる「第2の死」から、命の書に名前を記されたその人は救われます(ヨハネ黙示録20:14-15)。

 イエス様がこの世に誕生して、イエス様を信じる多くの人々と、その群れである教会が、2000年の間にイスラエルだけでなく、世界中に、この御殿場にも広がり、誕生してきた歴史的な事実は、「すべての人を祝福すると告げた神様の約束は、必ず実現する」ということを、この世に向かって、明確に告知しています。

 従ってイエス様を信じる信仰は、家内安全、商売繁盛、無病息災と言った目先の現世ご利益を得るためではありません。信仰は「最も大切なこと、人に永遠の命を与えて、第2の死から救う」という、神様が定めた、途方もなく大規模な救いのご計画にあずかるための「大切なカギ」なのです

 思い通りに行かないからと言って、信仰を捨てたら、神様が用意してくださっている、私達にとって最も大切なもの、「永遠の命の授与と第2の死からの救い」を、自分で放棄するようなものです。危ない、危ない。そんなことがあってはならない。

 確かに私達の人生は楽ではない。予想もしていない時に失敗や病気や人間関係のこじれなどの厄介事が起こります。しかも神様は、私達の身に降りかかる厄介事を一つ一つ分かり易く、納得できるように説明してくれません。でもここで、私達の信仰が試されます。苦しむ理由が分からないからと信仰を捨てるのか、それとも、苦しむ理由は分からなくても、神様は必ず自分を救ってくださると信じて、信仰を守り続けるかどうか。私達はどちらでしょう。

 神様は、ブルドーザーのように、私達の善いことも災いもすべて巻き込みながら、定められた救いの実現に向けて、推し進めていきます。だから苦難の渦中にあって巻き込まれたままの人は「なぜこんな目に遭うのか」と訳が分からず、叫びます。

 だから、そういう私達と共に、インマヌエルのイエス様がいてくださり、神様の救いの定めは変わらないことを、私達に思い起こさせてくださいます

 「神は、私達を怒りに定められたのではなく、私達の主イエス・キリストによる救いにあずからせるように定められたのです」(1テサロニケ5:9)

 イエス様は、私達が体験するどんな恥も痛みも嘆きも苦しみも体験されました。それ故、イエス様は、私達の苦難の人生を共に歩むことができます。そしてどんな苦難の中でも、変わることのない神様の救いへの確信を深めていけるよう、イエス様は終わりの日まで共にいて、私達の信仰を支え、導くことができます

 幸せな時だけ、イエス様は共にいるのではなく、「最悪だ」と泣きわめく時でも、イエス様は私達と共にいてくださいます。目に見えること、理解できて分かることだけが、すべてではありません。深い地層の下を流れる水のように、変わることのない神様の救いの定めが、常に私達を励まし、慰め、ガッチリ支え続けています

 だから私達信仰者の目標は、罪を犯す前の「無垢なアダム」に戻ることではない。年々衰える体を持った私達は、様々な災いや罪の誘惑に遭ってもそれを耐え忍び、ボロボロになりながら、傷だらけになりながらも、神様に信頼し、神様と人を愛しぬいた「イエス・キリスト」を目指して生きる。「キリストに似た者にされていく」。これが地上における、私達信仰者の変わることのない命の目標です。

 家が無い?地上では教会があなたの家です。そして天にこそあなたの本当の家がある。財産が無い?「信仰と永遠の命と第2の死からの救い」と言う最高の財産が、あなたに与えられている。イエス様がこの地上で、あの十字架でなされたように、神様から私達も与えられているものを、何一つ惜しむことなく、多くの人と分かち合うために、礼拝から出かけて行きます。

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