日本基督教団御殿場教会  United Church of Christ in Japan Gotenba church

キリスト、栄光の希望

説教

タイトル :「キリスト、栄光の希望」 
聖書   : コロサイ1:24-26
年月日  : 2016-11-6
 
先週の木曜日、東海連合長老会の長老執事修養会が御殿場教会を会場に行われま
した。「長老の務め・教理の擁護」を主題に、葉山教会の中村健一牧師が語ってくだ
さいました。「教理」と聞いただけでジンマシンが出る方もおられるかも知れません。
でも講演の中で「教理」とは「正しい信仰の筋道」のことで、それがニカイア
信条に記されていると言われました。私達も先程、ニカイア信条に記された信仰
内容に同意し告白しました。一見、何でもないことに見えますが、この信仰を告白
するには、多くの激しい闘いの積み重ねがありましたし、今もあります。 
父なる神様と同質である御子キリストが、人となって生まれ、すべての人の罪の
赦しのために十字架で死に、復活して天に昇り、終わりの日に再び、審判者として
世に来られること。そしてこのキリストを信じる者は、神様の栄光に包まれた清い
神の子供とされ、終わることのない御国において神様と共に生かされます。つまり
御子キリストを信じることで、人は誰でも救われるのです。そして御子キリス
トがどういうお方か、ニカイア信条は正しく告げているので、正しい信仰の筋道を
守り続ける世界中の教会がニカイア信条を告白しています。御殿場教会もその一つ
です。
パウロなどキリストの使徒たちが伝道していたのは1世紀です。まだキリストの
死と復活の記憶も生々しい時代なのに、「御子キリストを信じることで救われる」と
言う正しい福音信仰ではなく、異なる信仰が、既に各地で宣べ伝えられていました。
正しい福音が語られ、これを聴き、キリストを信じることで、各地に教会が生まれ
ましたが、異なる信仰を持ち込む人々に影響され、教会の信仰は揺れていました。
だからそれらの教会を、正しい信仰の筋道に立ち帰らせるために、パウロは何度も
旅をして教会を訪問し、手紙を書いたから、新約聖書にパウロの手紙が残りました。
従ってパウロの手紙は、教会の歴史が始まった当初から、地上の教会はすぐに迷い、
正しい信仰の筋道を見失ってしまうほど、弱いことの証でもあります。
でもコリント、ガラテヤ、コロサイなど問題を抱えた多くの教会があったお陰で、
私達はそれらの教会を配慮して書かれたパウロの手紙を読むことが出来、パウロに
倣いながら、自分達が属する教会のため、またすべての教会のために何をすべきか
明確に示されて、教会に新しく仕えることが出来ます。それは楽なことではなく、
多くの苦しみを背負います。しかし24節の、コロサイ教会に告げたパウロの言葉。
「あなたがたのために苦しむことを喜びとし、キリストの体である教会の
ために、キリストの苦しみの欠けたところを、身をもって満たしています」。
彼はかつて教会の迫害者でしたが、キリストによって真の救いに目覚めて新しく
生き直し、キリストによる救いの確かさと喜び、感謝に満たされていました。彼は
キリストによる救いを実感し、喜んでいたから、救いの喜びを多くの人々や教会と
分かち合うことを何よりも強く願い、キリストの救い・福音を語り続けてきました。
コロサイ教会も信仰的に問題がありました。正しい信仰の道筋が失われつつあり
ました。せっかく信仰をもち、教会に集められても、教会が正しい信仰の道を踏み
外していたら、何もなりません。だからパウロはコロサイ教会が立ち直るためなら
苦しむことを拒みません。それどころか、コロサイ教会が立ち直るなら、パウロに
とって、どんなことでも苦しみではなく、喜びでした。
教会は、地上における「御子キリストの体」です。教会は神様が宿り、神様が
住まいとされる「御子キリストの体」です。でも地上の教会は、神様の御心、
神様の意志に、一点の曇りもなく、忠実に仕えた「完全な御子キリストの体」には
なりきれません。世界中のどんな教会でも「キリストの体」としては、欠けた
部分が多くあります。そのため、いつも教会は聖霊によって「完全なキリスト
の体」へと導かれて、成長していくための苦しい訓練や苦しい闘いと、向き
合わねばなりません。
「キリストの苦しみの欠けたところ」と言うと、すべての人の罪を贖う十字架の
キリストの苦しみが足りなかったように思われるかもしれませんが、そんなことは
ありません。キリストは、すべての人の苦しみを完全に背負われた方です。まして
キリストが背負えなかった苦しみを、パウロが背負えるはずがありません。ここは
そういう意味ではありません。「キリストの体」である地上の教会が、「完全な
キリストの体」に近づいていくために必要な苦しみを、キリストの体・教会
に集められている人々、信仰者、伝道者が、互いに身をもって背負って行く
と言う意味です。
 パウロの第一の務めは、神様の言葉を忠実に語ること。それは常に「キリストの
救い・福音を語ること」です。この「神様の救いの奥義」がすべての人にとって、
どれほど栄光に満ちた豊かなものかを、神様が望むまま、パウロは告げ知らせます。
そして「神様の救いの奥義」がキリストです。このキリストがコロサイ教会
や信仰者の内に宿っています。つまり神様の救いを与える「キリスト・栄光の
希望」が、教会に、信仰者1人1人の内に宿っています。そして「私達の中
にいるキリスト」。この方が栄光の希望だということが、教会の礼拝の中で
こそ明らかにされます。
 私達は忘れていますが、キリストを信じる信仰者の内、キリストを信じる教会の
内に、「神様の姿であり、神様の救いの奥義であるキリスト」が宿っているのであり、
永遠の輝き続ける栄光の希望が宿っています。これは神様からの莫大な恵みです。
だからこの恵みを失わないため、この恵みに気づかせるため、信仰者は元より、
すべての人がキリストと結ばれて、「キリストの体・教会」に属する者、神様の眼に
も完全な者、神様の子供とされるようにと、パウロはキリストを宣べ伝え、正しい
信仰の道筋を行くようにと、知恵を尽くして人を諭し、教えてきました。
勿論、これには苦しみが伴います。先程、言いました教会が「完全なキリストの
体」に近づいていくために背負う苦しみです。コロサイ教会が「完全なキリストの
体」に近づいていくように、キリストと言う栄光の希望を現わす教会となるように、
パウロは人知れず労苦を重ねていました。コロサイ教会のためだけではありません。
コリント教会、ガラテヤ教会、多くの教会のために、パウロは労苦を重ねて、中傷、
迫害、異端的信仰などと忍耐強く闘い、それぞれの教会に仕えて働いてきました。
でもそれはパウロの力ではなく、パウロの中にキリストの力が強く働いていた
からであり、キリストの力があったから、多くの苦しみの中でも、パウロは
闘えたのです。
パウロが生きた1世紀でも、キリスト中心の健全な教会を立てるため、苦しみと
闘いがありました。それは時が経つにつれて、激しくなって来ました。キリストの
十字架の死と復活の目撃者、使徒や弟子達が次々と死に絶えて、異端信仰が教会に
入りやすくなったからです。そこでこれらと闘い、正しい信仰の道筋を示すため、
4世紀になってニカイア信条が成立しました。ニカイア信条を成立のために集った
信仰者たちの体には、激しい迫害、信仰の闘いの傷痕があったと言われています。
「正しい福音信仰に立つ教会」を未来につなぐため、喜び、命がけで闘ったのです。
「あなたがたにはキリストを信じることだけでなく、キリストのために
苦しむことも恵みとして与えられているのです」(フィリピ1:29)
「キリストがあなたがたの内に形作られるまで、私はもう一度
あなたがたを産もうと、苦しんでいます」(ガラテヤ4:19)
21世紀の私達は何気なくニカイア信条を告白していますが、多くの人が命がけで
守り抜いた、血のしたたる生々しい信仰の財産を受け継いで告白しているのです。
それは同時に、地上の教会は未だ完全ではないから、正しい信仰の道筋を踏み
はずさないよう、すべての信仰者がこの世的なものに流されず、栄光の希望
であるキリストにのみ一点集中して「完全なキリストの体・真実な教会」を
目指し、前進していく重荷を、互いに背負うべきことを私達に示しています。
「栄光の希望であるキリスト」は、すべての人を愛して、救うために、十字架の
苦しみを体験してきたキリストです。十字架の苦しみから逃げたキリストではない。
またキリストが、教会に招き入れたのは正しい人ではなく罪人です。だから教会で
問題が起こるのは当然です。でも肝心なことは、起きた問題を、キリスト中心に
乗り越える苦しみから逃げず、互いに苦しみを背負っていくか、どうかです。
問題をキリスト中心に乗り越える苦しみを互いに背負って行く度に、教会は
鍛えられ、「天に至る栄光の希望を、リアルに現わしていくと共に、全身に
十字架の傷痕が残るキリストの体」とされていきます。これも私達の内、また
教会の内に、力強く働いてくださるキリストの力によるものです。最後に、正しい
信仰に立つ諸教会を弾圧したナチスと闘い続け、処刑されたドイツ人牧師の言葉を
お聞きください。
「キリストの体のために苦しむ資格を、神から与えられた者は幸いである。その
ような苦難は喜びである」(『キリストに従う』より、ボンヘッファー著)

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