日本基督教団御殿場教会  United Church of Christ in Japan Gotenba church

すべての民を私の弟子にしなさい

説教

タイトル :「すべての民を私の弟子にしなさい」   
聖書   : マタイ28:11-20  
年月日  : 2015-2-1
イエス様は十字架の死から復活され、墓はカラでした。でも墓に来た女性たちに
イエス様は姿を表して、ガリラヤで会えることを弟子達に告げるよう言いました。
イエス様の復活を知っていた人たちが他にもいました。墓の見張りをしていた兵士
たちです。大きな地震と共に天使が現われ、イエス様の復活を告げたことを彼らは
目の当たりにして、死ぬほど恐ろしい思いをしました。だから自分たちが見たこと、
聞いたことをすべて、祭司長たちに報告しています。
 イエス様の復活を一番恐れていたのはユダヤ教指導者達ですが、彼らは兵士から
報告を受けても、イエス様を否定してきた過ちを認めません。これまでの自分達の
言い分を曲げず、復活の事実を曲げてしまいます。彼らは復活の出来事に遭遇した
兵士たちに大金を渡して、「弟子達が夜中、墓から遺体を盗んだ」と言いふらすよう
命じています。そして兵士たちは自分たちが実際に見たこと、聞いたことではなく、
ユダヤ教指導者に命じられたまま、ニセの情報を世間に言いふらします。
 ここで信仰の不思議さを思います。兵士たちは、イエス様の復活を告げる天使を
目で見て、その言葉を耳で聞いていたのに、イエス様の復活を信じられなかった。
彼らは復活の出来事より、手に入れた大金の魅力に、心を奪われていたからです。
 さて女性たちの伝言を聞いた弟子達はガリラヤに行き、イエス様に言われていた
山に登って行きます。すると、山の上で弟子達は、復活のイエス様とお会いして、
思わずひれ伏し、イエス様を礼拝しています。でも17節の最後に、気になる言葉が
つけくわえられています。「しかし、疑う者もいた」。直訳は「しかし彼らは疑って
いた」。つまり数人の弟子だけが、イエス様の復活を疑っていたのではなく、彼らは
皆、イエス様の復活を信じきれずに疑っていたのです。疑いながらも、イエス様の
前にひれ伏し、イエス様を礼拝していたのです。兵士たちも弟子達も、イエス様の
復活の出来事を見ているのに受け入れられない。信じきれず疑ってしまう。「見たら
誰もが信仰者になる」と言うわけではない。そのことを思うと、2000年前に起きた
「イエス様の死からの復活」を、今「アーメン」と告白する信仰が、私達に与えられて
いることは、ただただ「神様からの一方的な恵み」だと実感させられます。
復活のイエス様の前にひれ伏しながら、なお疑っている不信仰な弟子達ですが、
でもイエス様は、そんな弟子達を見捨てません。というより、そんな弟子達と会う
ために、イエス様は先にガリラヤに行って、彼らが来るのを待っておられました。
そして手足に十字架の傷痕のあるお姿で、イエス様の方から弟子達に近寄って来て、
彼らに語りかけてくださるのです。
 「私は天と地の一切の権能を授かっている。だからあなたがたは行って、すべて
の民を私の弟子にしなさい。彼らに、父と子と聖霊の名によって洗礼を授け、
あなたがたに命じておいた事をすべて守るように教えなさい。」
 死から復活されたイエス様は、天と地における一切の権能を、神様から授かって
います。この権能は、一時的なものではなく、天にも地にも永遠に有効な力を発揮
します。この権能の下にイエス様が弟子達にまず命じているのは、「出かけて行って、
すべて民をイエス様の弟子にする」ことです。「出かけて行く」とは、仲間内だけで
信仰を喜んでいるだけでは足りない。拒絶され、傷つけられるかもしれない外へ、
見知らぬ人たちのいる外へ、思い切って大胆に、足を踏み出していくことです。
そしてユダヤ人だけではなく、ユダヤ人が忌み嫌ってきた異邦人の所まで出かけて
行って、「すべての民」がイエス様の弟子とされるよう祈り、語り、働くのです。
 それにしても復活のイエス様を目の前にしながら、なお疑っていた不信仰な弟子
だと知っているのに、なぜイエス様は彼らを用いるのでしょうか。これは私達にも
言えることです。なぜイエス様はこんな私達を弟子にして、用いようとするのか。
人はイエス様を信じる信仰が与えられても、つまずいたり、転んだり、失敗します。
でも過ちをくり返しながらイエス様に従って行く信仰生活の中で、人は徐々に
イエス様の弟子と養われていきます。だからますます本物の弟子とするため
に、イエス様は不信仰な弟子達、私達を選んで、用いてくださるのです。
 そしてすべての民を弟子とするために、父、子、聖霊の名によって洗礼を授けて、
これまで弟子達に語ってきたことを、同じように、すべて守るよう教えなさいと、
イエス様は命じています。クリスマスに1人の姉妹が、父、子、聖霊の名によって
洗礼を受けました。この時、これまでの古い自分は、イエス様の十字架の死と共に
死んで葬られ、古い自分と決別します。さらに「父、子、聖霊の神様に属するもの」
「天の国のもの」と言う見えない印がつけられます。これまでの自分の名前の上に
「神様のもの」という新しい名前が上書きされます。そして神様の愛と命を受ける
神様の子供、イエス様に従う弟子として、人は新しく誕生します。洗礼の現場で、
これらのことを可能にする神様の絶大な権能が、生きて働いています。
 でもすべての民をイエス様の弟子とするために出かけて行き、イエス様の言葉、
イエス様の救いを語って洗礼を授けるということは、「大キライで、憎い相手でも、
イエス様を信じて救われるように、洗礼を受け神様の愛と命をいただけるように、
祈り、仕えて、働く」と言うことです。敵の救いのために、祈り、仕えて、働く
と言うことです。それにしてもなぜイエス様は「すべての民を弟子とする」のか。 
イエス様はすべての人を愛しておられるからです。すべての人を愛している
から、誰であろうと、罪と死の中で滅んでしまうことを、イエス様は喜びません。
すべての人を愛しているから、イエス様は死から復活することで開拓した「人間でも
入ることが出来る神様の命の土地」に、分け隔てなく人々を招き続けています。
 イエス様はすべての人を愛して招いておられますが、すべての人が招きに応じる
わけではありません。怪しいと疑い、招きを拒む人も大勢います。だから私達も、
イエス様の招きを伝えること、伝道することをためらいます。
以前礼拝に来られていた十字の園の利用者の方が亡くなられたことを先週、聞き
ました。その方は教会の礼拝にも、十字の園の礼拝にも、出席しておられました。
なんらかの救いを求めておられたことは確かです。ですから訃報を聞いた時、私は
後悔しました。
「なぜ教会に来ている間に、洗礼を勧めなかったのか。洗礼を受けて、イエス様の
弟子になること、イエス様と共に永遠に生きることを、積極的に勧めなかったのか」。
しつこい、煩わしいと思われたくなくて、洗礼を口にするのをためらっていました。
でも今はそのことを深く後悔しています。誰も行き先を知らずに死んで欲しくない。
誰も空しく死んで欲しくない。イエス様の弟子となる洗礼を受けて、死んでも尚、
復活の命で生きられる希望、死の床でも、復活のイエス様に支えられていると言う
救いの確信、命の希望を持っていただきたいと、今は切望しています。洗礼は命の
救いに関わることであり、後回しにはできない。私が明日も生きている保証もない。
だから今日、伝えられる人には「洗礼を受けて、イエス様の弟子となって、生きて
ください。死よりも強い復活の命をぜひ受け取って生きてください」と祈ると共に
ためらわずに、伝えていこうと思っています。
 洗礼を受けイエス様の弟子になるとは、イエス様のすべてに与ることです。
イエス様の中に充満している「神様の愛と命、永遠の祝福」に与ることです。
このことは旧約の昔から約束されていました。マタイ福音書は、アブラハムから
イエス様に至る一筋の系図で始まります。アブラハムは神様から「地上の諸国民は
すべて、あなたの子孫によって祝福を得る」(創世記22:18)という約束を受けました。
約束通りに、アブラハムの系図の最後でイエス様が遣わされます。このイエス様を
信じて洗礼を受ける者、イエス様の弟子となる者に、あらゆる垣根を超えて、神様
の約束・永遠の祝福が実現します。アブラハムから始まった一筋の祝福の家系は、
イエス様のところで一気に、四方八方へと、大きく限りなく広がっていきます。
イエス様は、永遠の祝福をもたらすために世界中に広がっていく熊手です。
地の果てまで伸びていく「イエス様の祝福の熊手」に多くの人がかき集められて、
様々な違いはあっても、神様の命と愛を受け継ぐ祝福の民として1つにされます。
 2000年の間に、イエス様の熊手の先は、無数に枝分かれして、働いてきました。
その1本1本が、イエス様の弟子達の群れ、教会です。そして復活のイエス様は、
「愛する」と言う最も尊い権能と共に、今も、すべての教会、すべての弟子を、
この世に派遣します。まだ集められていない民をイエス様の弟子とし、洗礼を授け、
永遠の祝福に与らせたいからです。これは簡単なことではない。むしろ誤解され、
変人扱いされて苦しみます。イエス様の弟子達も、教会の歴史を担ってきた無数の
信仰者たちも同じです。でもすべて民をイエス様の弟子とするため伝道する教会と
信仰者に、復活のイエス様は「敵をも愛する」究極の権能を分け与えて宣言して
います。「私は世の終わりまで、いつもあなたがたと共にいる」。世の終わりまで、
世に派遣され、伝道する者たちと、復活の主は共におられます。

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